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人格障害の臨床実践を専門分野としている私(佐藤矢市)のブログへようこそ。
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対人関係での苦悩

皆さん、こんにちは。
今日は、対人関係にフォーカスしてみたいと思います。

 

対人関係場面において、多くの方々から質問される内容について解説していきたいと思います。

 

質問:「対人関係において1対1の場合は問題ないが、複数人の中ではいずらくなる」これはどうしてか?

 

人格障害の人から受ける質問の中でも比較的多い内容です。
まず、1対1の場合は問題ないわけではなく、実は1対1でも精神的には疲れてしまっています。

 

自尊感情といって、自分を安定して保っておく力や自分に対して肯定的にイメージする力が育っていないので、根本的に他人と接することは恐怖です。
心の中では、いつも孤独感、不安、恐怖、劣等感、自信のなさなどが自分を支配しているため、他人に否定されたり、拒絶されたりすることにとても敏感になっています。

 

 

かなり神経をとがらせながら他人と接しているのでとても疲れます(それが普通なので本人は疲れたという感覚はあまり感じていません。これが「疲れた」と言えるようになると大きな前進です)。
常に相手が自分の方を向いていてくれれば、何とか会話を続けられます。相手の反応がすぐに分かるので。

 

 

ここに1対1の場合は問題ないと言える理由があるのでしょう。

 

これが二人以上の場合、自分がどう関わったらいいのかまったくわからなくなって、黙ってしまうか、合わせるだけになってしまいます。

 

もし相手から会話を振られた場合には、「何と返答したら相手や周りは満足してくれるのか?」と考えすぎてしまうので、頭が真っ白になってしまい、何を話したか覚えていない状態になります。

 

自分の評価は、常に相手によって決まるものだと思い込んでいます

 

話している相手が嫌な表情をするのではないかと錯覚したり、心の中では自責感や罪悪感でいっぱいです。
このように自分という存在が相手の反応や評価次第で左右してしまうため、その相手の人数が増えることで、神経を使う量も増えます。

 

その結果、複数人の中では、特にいずらさを強く感じてしまうというわけです。

 

これも逆から捉えなおすと、自分という存在を、相手はどうであれ、自分自身で適切に評価できるようになると(これが自尊感情です)、複数人の中にいても、居心地の悪さはそれ程感じなくてすむようになります。

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