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人格障害の臨床実践を専門分野としている私(佐藤矢市)のブログへようこそ。
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研修生の相談を通じて気づいたこと

皆さん、こんにちは。
今回は、山崎洋スタッフに、日々研修生と接する中で、気が付いたことについてまとめてもらいました。

 

今回のテーマは「ほんの小さなキッカケから広がってしまう妄想」についてです。

 

尚、以下に登場する研修生についての情報は個人が特定できないよう加筆・修正を加えてあります。

①「嫌われた・・・私が○○したせいだ・・・」

例えば、Aさんはいつも返してくれた「挨拶」を今日だけ返してもらえなかったとしましょう。

 

Aさんは「挨拶」を返してくれなかった相手に「嫌われた・・・私が○○したせいだ」などと、いくつもの妄想を思い浮かべ、一日中悩んで眠れず、僕のところへ相談に来ました。

 

Aさんの話を聞き「そんなことはないのではないか?」と訂正しました。後日、相手にも話を伺った所、理由はとても単純でした。

 

挨拶に気が付かなかった」「聞こえていなかった」という些細なことですが、Aさんはこの発想には至らず、マイナスな考えしか浮かばなかったそうです。

 

②自分の噂話をしている・・・

Bさんは、キッチン(食堂)を通りかかった時に、偶然聞こえてきた他の研修生の会話が、「自分の噂話」をしていると思い込んでしまったり、遠目に人が話をしているのが見える度に、「また自分の悪口を言われている」と考えてしまっていたそうです。

 

当然ながら、そんな事実はありませんでした。

 

こうなってしまうともうBさんは周りの人間は全員「敵」に見えてしまい、ストレスは溜まる一方で、正常な思考は難しくなってしまうのでした。

 

③やっかんでくる!目障りだ!

Cさんは、「特定の研修生Dさんの挙動が気になり、目につく」と言っていました。

 

具体的には、どういったことなのか尋ねると、DさんはCさんの事が羨ましく思いやっかんでくると言うのです。

 

Cさんの周りでDさんが(直接的ではなく)、Cさんを蔑むような発言をしたり、Cさんのすることを真似してくると言います。とにかく、「Dさんが目についてしょうがない」というのです。

 

実はこの件も、Dさん本人や周囲に居た人たちの証言をまとめると、Cさんの完全な思い込みであったように考えられました。

 

④ジロジロ見るな!!

もっと極端な例もありました。

 

単に目があっただけで「私に色目を使ってくるな!」と言い放つ事例もあれば、見てもいないのに「ジロジロ見るな!」と言われた事例もありました。

 

これらのことを踏まえて、研修生たちに伝えたいことは、言動に気を付けろとか勘違いされないよう振る舞えと言うことではありません

 

もちろん、気をつけなければいけないシチュエーションも存在しますが、多くは「相手の問題である」と認識して欲しいということです。

 

自分のせいであると思い込まないことが大切なのです。

 

そして、悩んだら視野を広くすることを意識し、他の可能性にも目を向けて欲しいと思います。

 

こんな理由もあるのではないか?」と。自分で処理しきれないと思ったり、考えに行き詰ったら、人に意見を求めるのも有効な手段だと思います。

 

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