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人格障害の臨床実践を専門分野としている私(佐藤矢市)のブログへようこそ。
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病院任せにしない

当センターには、日本全国から時には海外から、様々な悩みを抱えたご家族や本人から問い合わせがあります。

 

死にたくて仕方がない」という定番のものから、「子どもが家で大暴れしているので、一時避難している」というもの、「引きこもっていて、一向に働く気配がない」など主訴は様々です。

 

その中で、特に多いと思われる訴えの中に、「病院に何度も入院させているが一向に改善が見られない。入院中は、静かにしているんだけど、自宅に戻ってくると再び問題を起こす。どうしたらいいのでしょうか」というものがあります。

 

以前の投稿でも書きましたが、パーソナリティ障害の回復には、本人が自分の「足」で立ち上がっていくプロセスが必ず必要です。

 

色々なことに腹を決めて、自分で自分の人生を歩んでいくという決意が必要なのです。

 

要は、「自分から何とかしよう!」という能動的な姿勢が回復には必要ということですね。

 

一方、入院生活はどうかというと、どうしても受動的にならざるを得ません。

 

もちろん、それが悪いと言っているわけではありませんが、とかくパーソナリティ障害者の場合、この受動的というスタイルが回復を逆行させてしまうことも少なくありません。

 

一睡もできずに錯乱状態であったり、心身に障害をきたしていた場合には、一時的に入院を必要とする場合もありますが、それはあくまでも身体治療と保護・休養のためであって、回復という点からみれば「一時停止」なのです。

 

入院期間も、病院の経営上、それほど長くはさせてくれません。

 

長くても3か月程度ではないでしょうか。

 

そして、実家以外に戻る場所もないまま、退院させられ、あっという間に元の状態に戻ってしまいます

 

3か月入院できればまだいい方です。

 

パーソナリティ障害と診断されれば、多くの場合、数週間から1ヶ月程度で強制退院させられてしまうケースも珍しくありません。

 

いずれにしても、入院期間中に根本的な問題が解決するなどということはあり得ません。

 

まして問題から逃避したい一心で、本人を病院へ預けようとする態度を家族が取れば、見捨てられることを恐れる本人は、ますます家族にしがみつくことになり、収集困難な混乱が長く続いてしまうことになります。

 

本当の回復は、退院後の本人の歩みから始まる他ないのです。

 

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