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人格障害の臨床実践を専門分野としている私(佐藤矢市)のブログへようこそ。
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口うるさい親に育てられた私

皆さん、こんにちは。前回までは、Yさんに貴重な体験談をシェアしていただきましたが、今回からは、以前の投稿でも登場してもらった葵さんに体験談をシェアしていただきます。

 

過去の葵さんの投稿をまだ読んでない方は、是非このシリーズ編を読む前に、目を通しておいて下さい。

 

今回も、数回シリーズにわたって、葵さんの貴重な体験談を、読者の皆様に紹介していく予定です。どうぞお楽しみに。

 

それでは、早速見ていくことにしましょう。

 

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これから、親と私の関係について書かせていただきます。

 

私は幼少期から、親の言うことをしっかり聞いて、行動してきたし、親のするなと言ったことはしない、そんな子どもでした。

 

勉強も頑張り、いい点をとれば親にほめてもらえる。習い事でも、ほめてもらいたいから、家族で喜べる時間が楽しかったから。

 

「葵はすごいぞ!」、そう言ってもらいたかったから、ひたすら頑張っていました。

 

でも親の言葉といえば、「これはだめ、あれはだめ。これしなさい、あれしなさい。」そういった言葉が多かった様に思います。

 

「なんで?」と聞いてみたこともあるのかもしれませんが、「とにかくだめ!とにかくこうしなさい!」そういった言葉で返されていました。詳しい説明は何一つないのです。

 

「こうしてればいいから!!」、そう言われると、「言う通りにしておけばなんとかなる、母はこれ以上怒らないだろう」いつもそう思ってそうしていました。

 

姉とは、親が怒る度、「また言われたよー」と、よく愚痴をこぼしあっていました。それでもいつも姉は笑っていたから、すごいと思ったし、私もそうならなくては、そう思っていたのです。

 

親にとっての「良い子」でいることは、成績にも学校での評価にも、社会にもきっとつながるもので、良かったと思っています。

 

けれど・・・そのように育ってきたから、自分がより見えなくなったような気がします

 

誰かに付随して生きる方が、自分の意志などいらないから誰かに全て指示してもらえる方が楽だと思うことにつながっていた様に、今の私には思えるのです。

 

学ぶこと」は好きでしたが、「考えること」は好きではありませんでした。

 

考えたいことなんてなかったし、知らないことを覚える方が有意義だと思っていたのです。

 

考える時間を無くしたくて、必死に学ぶことでごまかしていたのかもしれません

 

自分のことは自分でやらなくては、そうずっと思っていました。

 

親に頼ろうとすることや甘えようとすることで「自分でやりなさい」「自分で考えなさい」「自分で出来るでしょ!」、そう言われることも多く、自分のことは自分で仕上げなくては叱られる、そうずっと思っていました。

 

仲が良い親子だとは思っていましたが、悩みや苦しんでいる自分のことは親には言わないという我が家でのルールがあったからこそ仲良くできる訳で、親の前で弱い自分ではいつもいられなかった様に思います。

 

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いかがでしたでしょうか?

 

今回は、葵さんの「親子関係」がテーマでした。

 

パーソナリティ障害者の学生時代を振り返ってみると、葵さんのように、親にとっての「よい子」を演じていたという方は比較的多いものです。

 

本人の訴えを聞くと、「そうせざるを得なかった・・・それ以外の自分では親に受け入れてもらえなかった」というものです。

 

彼らは、親に素直に甘えたり、頼ることを体験してこなかったので、内心では「自分一人で頑張らねば!これからもずっと一人で生きていかなければ!」と強く思っています。

 

そして、そのまま思春期に入っていくと、親にとっての「よい子」を演じきれなくなっていきます

 

成績が思うように上がらなくなったり、自分よりも優秀な人が出てきて、競争に負けたりと、何らかの挫折をキッカケに、「良い子」という殻を破っていくのです。

 

そうなると途端に人が怖くなってしまい引きこもってしまったり、摂食障害や自傷行為、家庭内暴力など様々な問題行動が始まるケースもあります。

 

しかし、これらの問題行動は、子どもが自分の人生を自分の力で歩み始めようとする力にもなるのです。そのカラクリは今後の投稿に解説していきます。

 

次回の葵さんの投稿は、「姉の死後」です。
親にとっての「よい子」を演じ続けてきた葵さんですが、お姉さんの死後、どうなったのでしょうか。

 

 

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