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人格障害の臨床実践を専門分野としている私(佐藤矢市)のブログへようこそ。
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両親を責め続ける子ども

パーソナリティ障害者の中には、激しい被害妄想を抱き、その対象を親(母)に向ける方たちがいます。

 

子が親を正座させ、長時間にわたり、「どれだけ自分が被害にあってきたか」ということを論じるケースや「なぜ俺(私)の気持ちを理解しないんだ!」と親に不満を訴え続けるケースも珍しくありません。

 

親は、子どもに対して、少なからず罪悪感を抱いている場合が多いので、ひたすら子どもに振り回されていくことになります

 

子どもと顔を合わせれば、すぐに不満や被害妄想を訴えてくるので、「正直、会いたくない・・・子どもが寝ている間が、唯一静かに過ごせる時間」と感じている親御さんもいるくらいです。

 

本当に子どものことで苦労している親御さんなら、この訴えに共感できるところがあるかもしれません。

 

今回は、根拠のない被害妄想から、両親を責めずにはいられなくなってしまう典型パターンをご紹介します。

 

そもそも、被害妄想は、「自分が被害に遭っている」という思い込みからスタートしていきます。

 

こう思い始めるのは、多くの場合、何かの挫折や失敗がキッカケで抱くようになります(受験や恋愛、仕事やアルバイトなど)。

 

アイデンティティが育っていなかったり、自尊感情が低かったりした場合、自分の失敗や過ちを認めることができないので、その原因を他人に置きかえていき、その対象の多くが、母親である場合も少なくありません。

 

自分の人生が親(母)によって狂わされた!」と責任転換していきます。

 

繰り返し言いますが、これには客観的根拠は何一つありません。そう思い込んでいるだけなのです。

 

そして、被害者ストーリーを組み立て、母親にその苦しさや辛さを永遠と語っていきます。

 

母親が「そんなことはないよ」と口を挟もうものなら、「お前は黙ってろ!まず俺の話を聞け!」と母親の言葉をシャットアウトしていきます。

 

話の内容は、どうかというと「お母さんは・・・お母さんは・・・お母さんは・・・」などのように、母親が加害者であることを制限なく訴えてくるのです。

 

そして、ある程度、被害者ストーリーを訴え終わると「少しは俺(私)の身にもなってくれよ・・・」とお決まり文句が出てきます。

 

このような同じフレーズとサイクルを何時間と繰り返し、本人も母親も疲れ切った状態になります。

 

そうすると、「これだけ訴えているのに、俺の気持ちを何一つ理解してないじゃないか!」と再び訴え、しまいには、「長時間拘束させられた・・」と勝手に思い込み、「お前のせいで気持ちが悪くなった」などと体調不良を訴え始めるのです。

 

こういったパターンを、来る日も来る日も繰り返しているご家族が結構いらっしゃるのも現実なのです。

 

特に被害妄想の強いパーソナリティ障害の場合では、もう親がヘロヘロになって、疲労困憊になった状態で、当センターにつながるケースも少なくありません。

 

いずれにしても、この被害妄想は、放っておいて自然とおさまってくることはありえません。親がひたすら子どもの訴えに耳を傾けた所で、おさまってくることでもありません。

 

親との物理的・精神的な分離、そして現実検討を働かせることのできる自我の強さを育てていくほかないのです。

2 Responses to “両親を責め続ける子ども”

  • 匿名:

    先生に質問なんですが人格障害と反社会性パーソナリティ障害の具体的な違いとはどのような所なのでしょうか?

    • admin:

      コメント拝見いたしました。
      基本的に人格障害(パーソナリティ障害)には、10タイプあって、その内の1タイプが反社会性パーソナリティ障害です。
      このタイプは、規範意識(社会的なルールを守るなど)や他者に対する共感性の乏しさを特徴としています。
      ですから、自分の要求の為であれば、他人を害したり、損なうことも冷酷にやってしまいます。他人をまったく信用せず自分に恩をかけてくれた人でさえも、目先の利害で簡単に裏切ったり攻撃します。こういったタイプは、警察沙汰になるケースが多いようですね。

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